トイレドアは折れ戸か引き戸!50代以上ならやっておきたいバリアフリー対策
50代以上の方がリフォームを考えたとき、やっておきたいのがバリアフリー対策。
バリアフリー化しておきたい場所は色々ありますが、1日1回以上必ず使う場所であるトイレは、特にバリアフリー化しておきたいところではないでしょうか。
と言いますのも、トイレに行きづらい環境が目の前にあると、人はトイレをガマンしてしまいます。
また、介助が必要な状態の場合、トイレが使いにくいと行きたいことを言い出しにくいと感じている方もいらっしゃいます。
でもこの状態、どう考えても体には良くないですよね?
そこで今回は、気兼ねせずに行ける使いやすいトイレを作るリフォームに欠かせない「トイレドア」についてお話していきます。
目次
1: トイレドアは種類で楽さが変わります
トイレのドアは大きくわけると次の3種類が一般的です。
まずはそれぞれの特徴を知り、あなたのお家で使いやすいものはどれか、イメージしてみてください。
(1)一般的な開き戸タイプ
ドアにノブがついていて、手前に引いて開くタイプと、奥へ押して開くタイプがあります。
このタイプのドアは一般的なので、色や柄、大きさなどが豊富に揃っています。
そのため、内装に合わせたものを選びやすく、お値段も手頃なドアが用意されています。
このタイプのドアの良いところは、しっかりとした密閉感。
きちんと閉めておけばトイレのニオイや音などが外に漏れにくいようになっています。
(2)広く使える引き戸タイプ
引き戸タイプのドアは、文字通り左右のどちらかへ扉を引くことで開け閉めします。
ドアノブを回す動作が必要ありませんので、年齢と共に握力が低下した場合でも使いやすいのが良いところ。
また最近の引き戸タイプは、引き戸をスライドさせるレールが天井側についているものが多いため、床部分に凸凹がありません。
ということは、廊下とトイレの間がフラットになりますので、杖をついた状態や車いすのままでも、つまずく心配なくトイレへ出入りできます。
そして、引き戸タイプの良いところはもうひとつあります。
一般的なドアは開閉するとき、ドアが円を描く部分が出来てしまいます。
この範囲は人が立つこともできませんので、実際には使うことができない範囲となります。
しかし引き戸タイプの場合、ドアは左右の壁側へスライドするだけですので、トイレの外側、内側を広く使うことができるのです。
(3)パタパタ折れるドア
3枚の縦長ドアが連結して出来た、パタパタと折れることで横方向へスライドするドアがあります。
このタイプを「折れ戸」と呼びます。
折れ戸タイプは、引き戸のように扉をスライドさせる場所が必要ありません。
また一般的な開き戸のように、トイレの外側や内側にデッドスペースを作ることもありません。
引き戸にしたいけれど、壁の広さと扉の大きさが合わない場合、折れ戸タイプを使うという方法があります。
2: トイレドアリフォームのポイントとは
トイレのドアリフォームで知っておいていただきたいことがあります。
それは、トイレという空間に対して、ドアがどの方向に向かって開くのかということです。
例えば、一般的な開き戸の場合、トイレへ入るとき手前に開くタイプですと、トイレの中は広く使えます。
しかし、トイレから出るときドアを開けた瞬間、廊下を歩いていた人とドアがぶつかる危険性があります。
反対にトイレへ入るとき、奥へ開くドアタイプですと廊下でぶつかる危険性はなくなる反面、もしトイレで具合が悪くなり倒れた場合、ドアが倒れている人に当たって開けられないため、救助することが困難になります。
健康で体が動きやすい年代ですと気にならないことですが、どうしても50代を過ぎると少しずつ体に変化も出てきます。
トイレドアのリフォームを考えるときには、ドアの開く方向や万が一の場合をイメージしてみてください。
3: 狭いトイレなら折れ戸がおすすめ
トイレの空間を広々と取れるお家は多くありません。
だから、少しでも広く快適に、そして使いやすくするために引き戸を取り入れたいけれど、扉をスライドさせるだけの壁がないということもあります。
そういった場合、最初に考えてもらいたいのが「折れ戸」タイプのドア。
ドアが2つ3つにパタパタと折れて開きますので、扉をスライドさせる壁が必要ありません。
また、折れて横方向へ開きますので、トイレの内側の広さはほとんど変わりません。
折れ戸の場合の注意点は、
- 折れる部分で指を挟まない対策がされているか
- 折れる方向によって、万が一トイレの中で人が倒れたときにも開けられるのか
この2点を確認しておけば良いでしょう。
経験豊富なリフォーム専門店なら、あなたのお家の間取りにあった折れ戸を提案してくれます。
4: 介護での使い勝手を考えるなら引き戸がおすすめ
扉をスライドさせる壁がある。
このような場合は、引き戸を選ぶと使いやすくなります。
引き戸の良いところは、トイレの入り口をいっぱいまで使えること。
ドアを折り畳むスペースが必要ありませんし、開き戸のように円を描いて動く面積も必要ありません。
そして開き戸の良いところは、実際に介助者がいっしょにトイレへ入ったときにわかります。
開き戸の場合、介助者が入ったとき、自分の体を扉の開閉に合わせて動かす必要がありません。
また、トイレの中の空間を最大限活用できますので、手すりをつけても狭く感じることも減ります。
5: まとめ
トイレドアのリフォームは、バリアフリー化に欠かすことができないパーツです。
トイレの快適さは、使う本人にも影響しますし、介助する人の余裕にも影響します。
本人さんと家族、ヘルパーさんが苦労することなく簡単に、そして楽に使えるトイレドアは、毎日の暮らしを少し快適にしてくれることでしょう。
ぜひ50代以上の方がリフォームを考えておられるなら、まずはトイレドアのリフォームから始めてみてください。
ちょっとしたリフォームで、暮らしが変わることを実感していただけると思います。