シニアのライフスタイルは家のリフォームから!失敗しないポイントはコレ
50代以降になると、生活の質やパターンが大きく変化する方が多いものです。
- これまで同居していたお子さんが独立されて夫婦二人の暮らしに
- 定年退職で夫婦二人だけの時間が増える
- 女性特有の体の変化を感じゆっくりとした暮らしが必要になる
また、ご家族の介護が始まる方もいらっしゃるでしょうし、会社員時代とは違ったおつき合いが始まり、お家へいらっしゃる方も以前とは違ってきているかもしれません。
このような状況に変化すると、やはり気になるのがお家の暮らしづらい部分。
- ドアの傷み
- 廊下のキズ
- 40代では気にならなかった使い勝手の変化
そして、これから10年後、20年後を考えてみると、いまよりも体は変化しますから、生活環境も体の変化に合わせておかないと快適に暮らせないことが想像できるでしょう。
そこで今回は、シニア世代がこれからも快適に暮らし続けるための、リフォームポイントを紹介していきます。
1: 健康維持を考えたリフォーム
健康は何にも代え難いものです。
いくらお家の中の間取りを変更しても、新しい設備を取り入れても、体の変化に気を配ったリフォームができないと、快適な暮らしはできません。
そこで健康維持のために知っておいていただきたいリフォームの注意点を3つ紹介します。
(1)ヒートショック
冬になると新聞やテレビでも取り上げられることが多い「ヒートショック」。
ヒートショックとは暖かいお部屋から冷たい部屋へ移動し、冷えた体を急激に暖めることで血圧が急上昇。その結果、脳卒中や心筋梗塞が起こりやすくなる原因だと言われています。
こんな状態、一般的な住宅で起こるのかと疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、何も対策しておかないと、ほとんどのお家で起こりえるのです。
一番起こりやすいのが、暖かいリビングから冷え切った脱衣場へ移動し、服を脱いで熱い浴槽へ浸かると・・・急激な温度変化によって血圧が上昇します。
リフォームを考えるときには、家の中の断熱性や気密性を高める工夫をすることで、お家全体の温度差を少なくすると良いでしょう。
リビングも脱衣場も近い温度であれば、急激な血圧の上昇も起こりにくくなりますから安心です。
(2)カビ対策
外気と室内の温度差が激しくなると、あなたも経験があると思いますが、窓や壁に結露が発生する場合があります。
そして結露が起こると、もっとも体に影響するのがカビ。
カビが原因となって「ぜんそく」「皮膚炎」などが起こるケースもありますし、年齢を重ねるとともに抵抗力も落ちてきますので、思わぬ疾患を引き起こす原因にもなり得ます。
そこでお家全体を魔法瓶のようにリフォームし、外気の影響を内側へ受けにくい工夫をしておきたいところです。
具体的には、床や壁、天井に断熱材を入れておくことで実現できます。
しかしお家全体に断熱材を入れるのは費用的にも難しい場合があります。
そういった場合には、窓やサッシ、部屋のドアをリフォームすることで、これまでよりも断熱効果を高めることも可能です。
また、断熱効果をアップさせるということは、お家の気密性を高めていることになりますので、換気システムを忘れないでください。
家の中を新鮮な空気が通り、家全体が呼吸できるようにすることで、いつまでも健康な家と体が維持できます。
(3)シックハウス対策
快適な住宅を目指すとき、注意していただきたいのが「シックハウス症候群」です。
リフォームすることでお家の気密性を高める場合、新築のときに使われた建材の中に「有機化合物」が含まれていると、化学物質が原因となり私たちの体に負担が増えることがあります。
特に体力や抵抗力が低下してくるシニア世代の場合、体のあちこちに影響が出てくることもあります。
リフォーム前には、リフォームの専門家と相談し、どのような建材が使われているのか、今後はどのような建材を使うことで、健康な暮らしを送れるのか知っておきましょう。
2: 家の中での事故やケガを考えたリフォーム
見落としがちですが大変重要です。
家の中の事故には、次の流れがあります。
「つまずく → 転倒」
この後、打撲や切り傷、年齢によっては骨折が起こることもあります。
では、こういったお家の中の事故はどのような原因で起こるのでしょうか。
実は大きな原因ではなく、非常に小さなことが原因になっていることが多いものです。
例えば、カーペットの端がめくれている。
夕方近く、薄暗い時間に小さな段差が見えなかった。
特に畳とフローリングの境目や、フローリングとカーペット境目。
また、廊下と部屋との敷居も危険です。
このような事故やケガを防ぐためには、できるだけフラットな設計にリフォームすることがおすすめです。
また、薄暗い時間には、足元をやわらかく照らしてくれるフットライトなどもリフォームで考えておかれると、さらに安心して暮らしていただけます。
3: デザインよりも動きやすさを考えたリフォーム
事故やケガの防止と重なりますが、シニア世代のリフォームに必要なのは、凝ったデザインよりも安心して動ける作りだと思います。
例えば、敷居をなくすために、天井から吊った状態で使える引き戸などは大変便利です。
通れるスペースも広くなりますし、足元の小さな段差もなくなりますから、杖や車いすが必要になった場合でも快適に動けます。
また、できるだけ動く距離を減らすためにも、一本の線で完結できる間取りを考えましょう。
洗濯機から洗濯干場、乾いた洗濯物をしまうクローゼット。
こういった部分を短くシンプルな動きで完結できるようにしておくと、体への負担も減ってきます。
4: 使いやすい家事を考えたリフォーム
家事はこれからも必要です。
ですから、体への負担やケガの原因になりにくい作りを考えましょう。
例えば、キッチンの収納スペース。高い位置にあるスペースは、使う度に踏み台を使わないといけません。
反対にシンク下ばかりに入れると、かがんで使うことが増えてきます。
どちらも体への負担が大きいですし、ケガのリスクも高まってきます。
ですからリフォームを検討されるときには、「何をどこで使うのか」を考えて、使う場所の近くに収納することを検討しましょう。
そして高い場所や低い場所は、年齢を重ねると危険度が増してきます。
使わないものは捨て、使う物だけを使いやすいところへ収納できないか、リフォームの専門家と相談してもらいたいと思います。
5: まとめ
シニア世代の暮らしは、40代までとは大きく変化します。
暮らし方、おつき合い、そしてご自身の体。
それぞれの変化に対応した住まいをリフォームすることで、これから先も快適に健康で暮らすことができます。
ぜひ今回のポイントを参考にしていただき、あなたのリフォームを成功させてください。