キッチンリフォームで知っておきたい高さと身長の関係
毎日使うキッチン。
キッチンの高さが合っていないまま使い続けると腰痛を患い、整形外科や整骨院へ通院されている方もいらっしゃるようです。
もしあなたが、今使っているキッチンでキャベツの千切りをするとき、腰がつらいなと感じておられるのなら、リフォームするときには身長に最適な高さのキッチンを考えてみられてはいかがでしょうか。
今回は、腰痛に悩まない快適なキッチンを手に入れるため、キッチンの高さと身長の関係について紹介します。
目次
1: キッチンの悩み「腰痛」をリフォームでなくそう
キッチンでの悩みというと、次の3つが多いのではないでしょうか。
- シンクで服が濡れやすい
- 硬い物を切るときに上手く力が入らない
- 中腰で腰が痛い
キッチンで起こる体への負担は、毎日のことなのでストレスが溜まりやすいものです。
特に中腰で腰が痛くなるのは、体にとってとてもつらいこと。
キャベツの千切りをつくるとき、背中を少し丸めて切る動作が続くと、本来は楽しいはずの料理も楽しめなくなってきます。
このような不満をあなたが感じているのなら、キッチンリフォームのときに、これまでと違った高さのキッチンを選びましょう。
あまり知られていませんが、キッチンはシンクの大きさや調理台の広さだけではなく、高さも選ぶことができるんです。
では、どのようにしてあなたに適した高さを見つけるのかをお伝えします。
2: キッチンリフォームで大切な高さと身長の関係とは
最適なキッチンの高さを見つける方法には、身長から考える方法があります。
キッチンの高さが低いと腰が痛くなります。この体験をされている人は意外に多いと思います。
反対にキッチンの高さが高すぎると、常に腕を上げている状態が続くので肩こりになりやすいです。
そこで、最適なキッチンの高さを計算する式があります。
「あなたの身長 ÷ 2 + 5cm」
もしあなたの身長が158cmだったとすると、次のようになります。
158cm ÷ 2 + 5cm = 84cm
「84cm」が、あなたに適した高さの基準となります。
また、こんな方法もあります。
まっすぐに立った状態で、軽く肘を曲げます。
曲げた肘から床までの高さを測り、そこから14cmを引き算した高さが最適なキッチンの高さという計算です。
例えば、あなたが肘を曲げたところから床までの高さが100cmだったとすると、次のような式になります。
100cm - 14cm = 86cm
「86cm」が、あなたに適した高さの基準となります。
3: キッチンは作業ごとに最適な高さが違う
キッチンでの作業を考えてみましょう。
- シンクで洗う
- 調理台で下ごしらえ
- コンロで煮炊き物
それぞれの作業で快適に使える高さが違っています。
シンクは洗うことがメインなので、底が下がる形状をしています。
そのため、高さが低いと底までの距離も遠くなり、より腰を曲げて使うことになります。これは腰痛を引き起こす原因になります。
調理台の高さが低いと、時間がかかる下ごしらえをするとき、かなり腰への負担が大きくなります。
また、洗う、煮る、焼くとは違い、長時間集中して作業するため、他の作業部分よりも腰が痛くなることが多いはずです。
最後にコンロ。
コンロは低すぎると腰が痛くなるのは他の部分と同じですが、今度は高すぎるとフライパンや鍋の中が見えづらくなり不便を感じるでしょう。
また、熱を持つところですので、顔を近づけすぎるのも危険です。
このように作業する場所によって快適な高さを求めるなら、それぞれを分離できる「アイランド型」や「L型」のキッチンレイアウトがおすすめです。
4: 熱の出る部分での高さの違いを知ろう
熱の出る部分とはコンロの部分です。
従来ですと、この部分はガスコンロだけでした。
しかし最近ではIHという選択肢も増えています。
この2つ、注意しておかないと少し高さが変わってきます。
(1)ガスコンロ
ガスコンロの高さには、天板までの高さと「ゴトク」の高さがあります。
一般的には、「天板までの高さ+ゴトクの高さ」の上に鍋やフライパンを置いて使いますから、天板までの高さだけを考えると、思っているよりも背の高いコンロになります。
そうすると、調理中に鍋やフライパンの中をパッと見ることができません。
ゴトクも含めてコンロの高さを調整したい場合には、ビルトインタイプのコンロを選ぶことで解決することもできます。
(2)IH
IHにはゴトクはありません。
ヒーター部分がフラットになっているため、天板までの高さと同じです。
高さを考えるときも、天板(ヒーター)部分までを考えるだけでOKです。
5: 体に負担の大きい吊戸棚も要チェック!
キッチンの高さ問題で忘れられることが多い場所、それが吊戸棚です。
吊戸棚は収納力がアップしますので大変便利なのですが、高い位置にあると取り出しにくいため、使わないもの(実は捨てても大丈夫なもの)の収納スペースになってしまうことがあります。
また、無理をして高い位置の戸棚を使おうとすると、背中や腰の筋肉が伸びることで痛みを引き起こすこともありえます。
私ども名住におきましても、よくキッチン手直し工事を請け負った物件でとても多いのが、この「吊戸棚の交換」なのです。これはシステムキッチンのプランニングの中で、吊戸棚の使い勝手についてユーザー様との検討が不十分であったものと思われます。
吊戸棚を選ぶときには、
- 中が見やすい
- 取り出しやすい
この2つのポイントを重視してください。
使わない、使えない吊戸棚をリフォームで追加する必要はありません。
6: まとめ
もしあなたが、今高さの低いキッチンを使って苦労されているのなら。
高めのキッチンはスリッパやキッチンマット、足台などで調整できますが、低いキッチンの場合、床に穴を掘って調整することはできません。
そして体格に合わないキッチンは、毎日使うとすると健康な状態で暮らすことが難しくなります。
キッチンを一番使う人に、高さを合わせて考えてください。
そして、中腰のつらさから解放され、体への負担が少ないキッチンリフォームを目指しましょう。