Hさま邸(名古屋市緑区)~プロとしての診断・提案、そしてサービス~
さて、今回は戸建住宅のベランダ防水についてです。
現在の、新型コロナウイルス禍で大変な状況となる少し前の話になりますが、我が社の近所にお住まいのKさまから「ベランダの軒下から雨漏れがするので見てほしい」とご依頼がありました。名住は基本、水廻り設備の販売施工を専門とする会社ですが、こういった内容の工事にも随時対応させていただいております。
さっそく現場(歩いてスグ)まで現状把握のためお邪魔してみましたらば、確かに軒下に貼られたケイカル板の合わせ目から、水がぽたーりぽたりと落ちています。
考えられる要因として、
A.ベランダ腰壁の外板がところどころにより腐蝕しており、そこから雨水が侵入している
B.ベランダに施されたコーキングの老朽箇所があり、そこから雨水が侵入している
C.ベランダ腰壁内のアルミ格子の接合面が防水処理されておらず、そこから(以下略)
といったものが目視点検により抽出されました。そしてこれらが複合的に重なり合って雨漏れを起こしていることは、ほぼ間違いないであろうという結論に達しました。
では、どうするか。
名住が提案した対策は「お客様の想定予算(つまりこの問題解決のためにどこまでお金をかけるのか)の範囲内で、もっとも効果の高い手を打つ」というものでした。結論から言えば要因Bに対する手当てに照準を合わせることとなりました。
本来いちばん悪さをしているのが要因Aの「ベランダ腰壁外板の腐蝕」であり、これを一斉に撤去・貼り替えすることが最善の策であることは明らかでした。しかしそうなるともうお客様にとっては相当な予算を用意せざるを得ず、そもそもそこまでお金をかけてまで解決すべき問題なのかという疑問も残ります。
かといって局所的な外板補修をすると、ベランダの色柄のコーディネイトがバラバラになってしまい、とても不格好になります。何よりKさま宅は、数年前のリフォーム時に外壁のコーティング塗装をやっていたため、ベランダ腰壁の交換という作業を一層困難にさせていました。
ならばということで、次善策としてベランダに走っているコーキングをすべて打ち直し、そこからの水の侵入はカンペキにシャットアウトしようという案が、我が社の防水処理チームから出されました。
ですが数ある雨漏れ要因への対策のうち、この一手がどれだけ防水効果に貢献してくれるのか。そこが少し、というか大いに気になった私(ブログの中の人)は、チームリーダーに訊いてみました。ぶっちゃけ、これまでいろんな箇所から侵入してきたであろう雨水を何割くらいカットしてくれるの?と。「んー」と1、2秒ほど唸ったあと、彼は即答しました。
「9割がたいける」
ハラは決まりました。パーフェクトではないにせよ、我々にとって今できることのベストの案はこれしかない。即座にKさまに我々の作戦を説明し、その場でご承諾をいただきました。
後日、天気の良い日を狙って、名住の防水処理チームが工事に着手しました。古いコーキングの除去と、新しくコーキングを打ち直すという、シンプルですが慎重な作業を要する工事内容です。それでも工程は順調に進み、午後の早めの時間に完了することができました。
(けっこう長い距離にわたるマスキング処理でした)
打ち合わせの際、Kさまからいただいたお言葉があります。
「これなんだよ。何がどういう風に問題になっていて、どういう風に手を打てばいいのかっていうのを、今までやってもらった業者はぜんぜん説明してくれんもんでさ。ここをこうしますんで、これだけかかりますんで、で後は知りませんって。ホント適当なんだ。そこを名住さんは、きちっと原因の追究や対策のコースを示してくれた、そこがプロだなと思ったよ。お宅さんに声かけてよかった」
もちろん、その後の雨漏れは起こっていません。とても判断に悩む案件でしたが、正直ホッと胸を撫で下ろしております。
ビジネスの世界ですから、やはり工事代金という対価をいただいてこそ会社は存続できるのですが、こうしたお客様からの名住に対する評価のお声は、間違いなく私たちの日々の業務の原動力となっています。
これからもお客様からの信用・信頼をいっそう積み上げていけるよう、社員一同精進していきたいと思っております。