浴室と洗面所のリフォームで60代に快適なのは安全性とゆとり空間でした
浴室や洗面所のリフォームを考えておられるなら、高機能やデザイン性だけではなく、これからの人生をゆるやかに暮らせる工夫が必要です。
特に浴室と洗面所はプライベートな空間ですから、誰の目を気にすることなく、あなたが心の底からホッとできる空間でなくてはなりません。
今回は大人世代のあなたへ、浴室と洗面所が快適で安全な「ゆとり」が生まれるポイントについて紹介していきます。
目次
1: 浴室リフォームは安全性を第一に
まずは、気持ちのリフレッシュや一日の疲れを癒してくれる浴室のリフォームポイントをお伝えします。
浴室は広いことや大きなガラス張りの窓があれば快適な場所になるのではありません。
ジェットバスやおしゃれな大理石が使われているからと言って、快適な空間になるわけでもありません。
本当に快適で安全な空間にするためには、次からお伝えするポイントを取り入れてリフォームすることなのです。
1.1: 滑らない転ばない工夫を考えましょう
大人世代の浴室で工夫を考えておかないといけないポイント。それは滑らない、転ばない工夫です。
「ズルッ」ときた瞬間、思うように重心が移動しない。踏ん張れない。とっさに手がない。
このような状況になると、浴室で滑って転ぶことになります。
浴室は転ぶと、近い位置に硬いものがたくさんあります。
- 湯船
- シャワーヘッド
- シャンプーなどをおく棚
どこに体をぶつけてもケガをしますし、打ち所によっては大きな事故になることもあります。
また、脱衣所と浴室の間に段差がある場合、ここで足を滑らせることもあります。
そして、浴室内でも体を洗った後に立ち上がるとき。湯船をまたぐとき。どちらも滑って転ぶリスクがついて回ります。
ですから浴室のリフォームでは次のポイントに注意し、またご自身が使いやすいように工夫することが必要です。
- 床材は水はけがよいものを選ぶ
- 床材はすべりにくいものを選ぶ
- 脱衣所と浴室の段差はフラットにする
- 体を洗う場所、頭を洗う場所には手すりをつけて立ち上がりやすくする
- 湯船をまたぐところにも、手すりを用意して安全にまたげるようにする
また、湯船をまたぐときに、できるだけ高く足をあげなくてもよいように、安心してまたげる湯船の高さを選ぶことも大切です。
「手すりなんて大げさな」と思われているかもしれませんが、あるのとないのとでは安心感が違います。
特に立ち上がるときの負担が違いますので、今すぐ必要でないと感じられたとしても、近い将来すぐに取り付けできるようにだけは工夫しておきましょう。
1.2: 油断は禁物!ヒートショック防止は必須
浴室リフォームの2つ目のポイントは、ヒートショック防止です。
昨今、冬前になると新聞やメディアから「ヒートショック」に注意するメッセージが私たちの前に出てきます。
ヒートショックとは、高低差の激しい温度を人体が感じると、瞬間的に血圧が上昇することで
- 脳卒中
- 心筋梗塞
を起こす可能性が高い現象です。
特に日本の浴室は、従来から「寒くて当たりまえ」のように感じている方も多く、ほかの部屋との激しい温度差に疑問を持つ人は少ないように感じます。
しかし、この激しい温度差は、私たちの体にとって大きな負担となります。その証拠に相応の原因がないと上昇することのない血圧が、急激に上がるのですから。
そこで、浴室を安心できる空間へリフォームするためには、他の部屋と浴室との寒暖の差を小さくするために、浴室内を暖かくできる暖房を取り付けておくことです。
最近の浴室暖房機には、暖房機能だけではなく
- 浴室乾燥機能
- 衣類の乾燥機能
- ミストサウナ機能
などが一緒になっているものもありますので、安心と快適性を同時に実現することができます。予算の関係で早々にプランから外されやすいですが、あると本当に便利で快適な設備です。
2: 洗面所のリフォームは「ゆとり」を重視
続いて、毎日使う場所である洗面所です。
大人世代が洗面所のリフォームを考えるなら、「ゆとり」を重視してもらいたいと思います。
朝の慌ただしい準備も関係なくなる世代ですから、ゆったりと過ごせる空間にした方が、一日を充実して過ごすことができるでしょう。
また今後のため、介護にも少しは焦点を当てておくと、いざというとき便利に使えます。
2.1: もしもの介護でもあわてないゆとり空間
大人世代が避けて通れないのが介護です。
いつまでも元気なことが一番なのですが、歳を重ねることで筋力も低下し、5分10分立っているのがつらく感じることも増えてきます。
また、毎日でなくても、体の調子が今一つの日だけ車いすを使って生活することもあるでしょう。
こういったときのために洗面所は、少し広めの空間にリフォームしておきたいところです。
座って身支度できる空間にすることで、車いすでも使いやすくなります。
立つことがつらい日は、イスに座って身支度することもできます。
また、車いすを考えると洗面所の扉は、引き戸に交換しておくと安心です。
引き戸は間口をいっぱいまで使えますので、通りやすくなります。
また、万が一洗面所で倒れるようなことがおこっても、すぐに扉を開けて対処することができますので安心です。
2.2: 身支度だけの場所じゃない!ほかの役割も考えよう
洗面所というと身支度する場所と考えてしまいます。
しかし、少しゆとりのある洗面所にすると、他の利用方法も出てきます。
例えば、
- 脱衣室
- 洗濯場
- 乾燥室
- リネン庫
- 座って使える女性にうれしい化粧室
暮らしの中で「あると便利」なことを実現できるでしょう。
リネン庫があると、他の部屋からタオルや着替えを運ぶ必要もなくなり、普段の家事の手間が少し減っていきます。
乾燥室として使えれば、雨の多い梅雨時期や、太陽の光が足りない冬でもカラッと洗濯物を乾かせます。
3: まとめ
シニア世代の浴室や洗面所のリフォームは、このような理由があるため安全性とゆとりのある空間が必要になってきます。
40代50代なら気にならなかったちょっとした動作で、ふらつくこともありますし、とっさにバランスを立て直せないことも出てきます。
また高低差の激しい温度変化は体への負担も大きいため、できるだけ少なくしておくことが健康であり続ける秘訣にもなります。
ぜひ、浴室と洗面所のリフォームを考えておられるのなら、今回のポイントを参考にして計画を進めてください。